sam's diary - 日々のとりとめもないことをつらつらと

実名でやっているFacebookでは書き辛いことをここで吐きます

二時間ドラマを見ていて

うちの母親は二時間ドラマが好きである。その昔、土曜ワイド劇場は必ず見ていた。僕も高校時代、土曜ワイド劇場は必ず見ていた。でも、母親とは別の部屋の別のテレビで、見ていた。何故、そういうことをしていたか。それは目的が違うからである。母親は推理小説が好きで、その延長として見る。僕も推理小説は好きだったが、僕が土曜ワイド劇場を見る動機は、当時、結構な確率で女優の裸が拝めたからである。それこそ、天地茂主演の名探偵明智小五郎シリーズは外れがない。今ほどゴールデンタイムに女性の裸が映ることに厳しくはなかった。ゴールデンタイムではないけど、11PMなんか、裸目当てで見る人も多かった。当時、大阪に住んでいた僕は、大橋巨泉や愛川欣也よりも藤本義一に何となく親近感を感じていたものの、一番好きだったのは愛川欣也の水曜日だった。その理由は明白。藤本義一バージョンでも、木曜日はシリアス過ぎてイマイチで、火曜日はお色気もあるので、当然、火曜日が好き。まあ、11PMはそんな感じだったけど、2時間ドラマに話を戻す。そんなこんなで動機は違えども、母親同様二時間ドラマ好きな僕は、でも、日本の二時間ドラマってのは、いわゆる推理小説の延長とはまったく異なるものだと思っている。僕が中高時代に一番読んだ推理小説家はエラリー・クイーン。というか、ほぼエラリー・クイーンのみだったかも知れない。だから、いわゆる西洋の推理小説がこうで、日本の推理小説はこうだと抽象化して説明できるわけではない。ただ、西洋の本格推理小説というジャンルの小説は、やはり謎解きやトリックに重点がある気がする。それに対して日本はどうか。日本は背景や動機に重点が置かれている。もちろん、日本の推理小説も謎解きやトリック暴きもする。それを突き詰めて、主人公が犯人を問いただす。ただし、それで終わりではない。犯人は「流石、〇〇さん、名探偵ですね。」とか言い、動機を語り始める。二時間ドラマの場合、この犯人の告白が1時間30~40分経過後から始まる。そこから15分か、長い場合は20分程度、動機や背景を話す。実はここが結構よく出来ている場合が多い。逆に言うと、そこに捻りが効いているドラマは面白い。昨日、たまたま、片平なぎさの「赤い霊柩車」シリーズを、うっかり1時間半見過ごしてしまったので、そこから見た。それでも結構楽しめた。残念ながら、昨日のドラマは、その殺人の動機が「そんなんで殺すか?」という、ちょっと弱かったが、それがこっちをうならせるようなものなら、それだけでも楽しめる。

そんなこんなをつらつらと考えた日曜日の夜。